著者の身辺をつづったエッセイの体裁を取ったマンガのことで、ここ数年多くのヒットを出している。小栗左多里の「ダーリンは外国人」(メディアファクトリー)は、外国人のだんなさんとの異文化体験を記録したもの。姉妹作「ダーリンの頭ン中」とともによく読まれている。2002年から「毎日新聞」に連載の西原理恵子「毎日かあさん」(毎日新聞社)もヒットした。文化庁メディア芸術祭優秀賞などを受賞(04年)した同作だが、実際の学校を舞台に描いたことで、小学校側が抗議する事態に至った。その他、上大岡トメ「キッパリ!」(幻冬舎)や久世番子「暴れん坊本屋さん」(新書館)など、身近な素材を扱ったエッセイマンガが支持を集めている。マンガは壮大なドラマ展開も可能だが、こうした読者と地続きの日常を描くにもふさわしいメディアであると言えるだろう。