長い間入手困難だった過去のマンガ作品が復刻されたもの。戦前から戦後にかけて活躍した、大城のぼる作品の復刻が筆頭。戦前に出された赤本マンガ(赤色の多用から名づけられた昭和前期のマンガ単行本の総称)「愉快な鉄工所」「火星探検」「汽車旅行」が、小学館クリエイティブより復刻された。同社からは、大正期の「正チャンの冒険」(原作・織田小星、漫画・樺島勝一)や「タンク・タンクロー」(阪本牙城)も復刻されている。また講談社からは、手塚治虫の赤本マンガ「バンビ」「ピノキオ」が、ジェネオンエンタテインメントからは「リボンの騎士」「手塚治虫カラー秘蔵作品集」が出版されるなど、ここ数年復刻ブームが続く。マンガ文化の成熟を示す動きと言えようか。