主人公は、15歳の黒沼爽子(さわこ)。あだ名は、ホラー映画「リング」に登場する女性にちなんで「貞子」と呼ばれている。長い黒髪のうえ、表情が暗く近づきにくい雰囲気があるからだ。しかし実際は純情な少女で、オカルティックな経験など何一つない。座右の銘は「一日一善」。そんなけな気でおとなしい少女が、クラスメートの男子、風早(かぜはや)翔太に恋心を抱く。異性への純朴な思慕や恋敵の出現、あるいは心の行き違いといった、少女マンガに定番の展開に加えて、仲間との友情が育まれていく様子をていねいに描く。このマンガの特徴は、爽子の思いを、一人称の視点で切々と描く、ストレートな語り方にあるだろう。作者は椎名軽穂(かるほ)、「別冊マーガレット」(集英社)に2006年から連載中。