ローマのレストランを舞台にした恋愛マンガ。と言ってもちょっと変わっていて、老眼鏡をかけた紳士に惹かれる、若き娘の淡い恋心を描く。主人公の少女ニコレッタは、実の母を頼ってローマを訪れ、母の新しい亭主が経営する店で一人の紳士と出会う。その優しさに心癒され、離れられなくなるまでの過程が、淡々と描写されていく。いわゆる「紳士萌え」の女の物語ということになり、それだけでも異色だが、二人や周囲の人々のやりとりが洒落ていて心地よい。イラストタッチの雰囲気のある絵柄もなかなかのもの。2005年から06年まで「マンガエロティクスF」(太田出版)で連載された。作者オノ・ナツメは、bassoの名義で他の作品も描いている。