浦沢直樹による「20世紀少年」の完結編、上下巻(小学館)。世界征服と滅亡にかかわるカリスマ“ともだち”を巡って、ケンジの活躍が始まる。世界を巻き込んだ事件が、ケンジの少年時代の交遊に端を発しているという。そのため、のちに怪奇な事件が次々に生じていくことになる。本編では、年をとったケンジが、バーチャルの世界で幼いころの自分自身に巡り合う。そして、元の世界を救済しようと試みる。「鉄人28号」や「W3」、「スーパージェッター」など懐かしいマンガも登場し、少年期の記憶と現実の事件をオーバーラップさせる手法が印象的だ。「20世紀少年」と本作を合わせ、両作品は2008年度の日本漫画家協会賞を受賞した。また、両作品は3部作として実写映画化が企画され、08年8月に第1章が、09年1月に第2章が公開されている。