2006年5月より、「別冊花とゆめ」(白泉社)に連載されている、菅野文(かんのあや)による少女マンガ。主人公は、銀百合高校剣道部の主将である正宗飛鳥。美形で学業優秀、文武両道の男らしい青年だが、実際は料理や裁縫が得意。それにかわいらしいものが大好きで、少女マンガ「らぶちっく」の大ファンだという、乙女心を持ちつつ、同時に男らしさを兼ねそなえた青年「オトメン」という設定だ。飛鳥の父は、飛鳥が幼いころに、「女性になりたい」と家出。その飛鳥は、同級生の女の子都塚りょうに恋する。ところがりょうの父は武骨な警察官で、本人も武道が得意で家事はダメという、飛鳥とは正反対の少女。また、この対照的な2人のクラスメートとして、橘充太なる青年が登場する。なんと橘はマンガ家「幸花ジュエル」として、飛鳥とりょうをモデルにした少女マンガ「らぶちっく」を、少女マンガ誌「花とまめ」に連載しているというのだ。こうした奇抜な設定のもと、男女の日常がコミカルに描かれていく。少女趣味の男性が主人公であるのは、中性化しつつある現在の男性像の象徴か。09年8月よりフジテレビ系でTVドラマ化され人気に火がつく。