古代ギリシャのオリンピア競技でも行われていた伝統の投てき種目。男子は長さ2.6~2.7m、重さ800g、女子は2.2~2.3m、重さ600gの金属製のやりを、フィールド上の約35度の範囲内でどこまで遠くへ投げられるかを競う。男子の世界記録が100mを超えて危険になったため、1986年にやりの重心を4cm前に移す「飛ばないやり」へ規格変更した。欧米選手と大きく水をあけられている日本の投てき種目の中で男子の水準は比較的高く、戦後のオリンピック、世界選手権でも入賞者を輩出している。87年には溝口和洋が当時の世界記録にあと6cmに迫る87m60の日本記録を樹立。2009年世界選手権では村上幸史が3位に入って日本人初のメダル獲得を果たして注目度が高まった。肩の強さだけでなくスピードとしなやかさが求められるため、野球が盛んな日本では有望な種目。