もともとは、外から中に入り込んでくることを意味する英語だが、近年は外国人旅行者の意味で用いられるのが一般的。日本政府観光局(JNTO)が2016年1月19日に発表したデータによれば、航空路線の拡大、燃油サーチャージの値下がりによる航空運賃の低下、訪日旅行プロモーションの効果などにより、15年1年間の訪日外客数は推計1973万7400人と前年比47.1%増加。長年、日本からの海外旅行者(アウトバウンド)がインバウンドを上回っていたが、45年ぶりにその数が逆転した。近年では、中国人観光客による「爆買い」によって国内消費が押し上げられるなど、外国人旅行者によるインバウンド消費が、旅行やホテル、交通運輸などの観光関連にとどまらず、小売業界や外食産業などの収益に大きな影響を与えている。従来は家電のまとめ買いが多く見られたが、身の回りの日用品や日本での体験にお金を使うなど、消費の傾向も変わりつつある。政府では、20年に開催される東京オリンピック・パラリンピックや「インバウンド3000万人時代」も視野に入れた施策を検討している。