野田サトル作のマンガ。明治後期の北海道を舞台に、日露戦争(1904~05年)を生き抜いて「不死身の杉元」と呼ばれた元軍人の主人公、杉元佐一が、アイヌの少女アシリパとともに、網走監獄の囚人らがアイヌから強奪して隠したという莫大な埋蔵金探しに挑むサバイバル物語。2014年から、「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載されており、コミックスは16年3月時点で第6巻まで刊行され、累計180万部を突破している。現役マンガ編集者が選ぶ「2015年度コミックナタリー大賞」(主催・コミックナタリー)で第2位を獲得したほか、各界のマンガ愛好者が選んだ作品をランキング形式で紹介するマンガガイドブック「このマンガがすごい!2016」(宝島社)ではオトコ編第2位に輝くなど、高い人気を誇る。また、北海道出身の著者により、アイヌ民族の文化や歴史についても緻密な取材に基づいて丁寧に描写されており、高い評価を得ている。16年3月29日には、書店員をはじめとするマンガ愛好者が選考する「マンガ大賞2016」(運営・マンガ大賞実行委員会)が発表され、大賞に選ばれた。男性漫画家の作品が同大賞を受賞するのは、第1回(08年)の石塚真一「岳」以来、8年ぶり。