たばこメーカーのフィリップモリスジャパン(本社・東京都千代田区)が2015年9月に一部地域で発売を開始した、火を使わない加熱式たばこ。同社の親会社であるフィリップモリスインターナショナルが、従来の紙巻きたばこよりもリスクが低い選択肢を提供するというコンセプトのもとで開発した。充電式のホルダーに専用のたばこを差し込み、電気的に加熱することでニコチンを含む蒸気を発生させて、それを吸い込むという仕組み。液体を加熱する電子たばことは異なり、たばこの葉を使うため、従来のたばこに近い風味が得られるという。また、通常のたばこよりも低い温度で加熱し、葉を燃焼させないため、煙や灰は出ず、においも少ない。同社の非臨床試験では通常のたばこと比較して有害成分が大幅に削減されたとしている。価格は充電器とホルダーの本体セットが税込9980円。専用たばこは20本入りで1箱税込460円。16年4月からは全国展開が開始されたが、同社の予想を上回る反響のため、品薄状態が続いている。同年3月には、日本たばこ産業(JT、本社・東京都港区)も煙が出ないたばこ「プルーム・テック」を福岡市などで発売。たばこの葉を加熱せず、葉が入ったカプセルを蒸気が通過する仕組みで、iQOSとともに火を使わないたばことして注目を集めている。