健常者が障害者を感動のために取り上げる風潮を批判し、障害者問題に一石を投じた造語。自らも障害者で、2014年12月に亡くなったオーストラリアのジャーナリストでコメディアンのステラ・ヤングが、障害者は健常者を感動させるために存在するわけではないのに「感動ポルノ」として消費されていると訴えたことから広まった。障害者を非障害者の利益のために消費の対象にしているという状況を「ポルノ」と称している。16年8月28日、NHK Eテレのバラエティー番組「バリバラ」(バリアフリー・バラエティーの略)が「検証!『障害者×感動』の方程式」と題する番組を放送。同番組でも、感動ポルノについて取り上げ、「障害は体や病気より、私たちを特別視してモノ扱いする社会の方」というヤングの言葉を紹介した。長年にわたって、障害や難病をもつ人がさまざまなことにチャレンジする「感動的」な姿を伝えてきた日本テレビ系「24時間テレビ」の裏番組であり、同番組の「愛は地球を救う」というキャッチフレーズに対し「バリバラ」は「笑いは地球を救う」をキャッチフレーズとして、障害者自身が世間の「感動的な障害者像」を徹底的にパロディー化したような内容で、大きな反響を呼んだ。