グロリア・マカパガル・アロヨ。Gloria Macapagal ARROYO。フィリピン大統領。1月20日、フィリピンのアロヨ副大統領は、エストラーダ大統領の後継大統領として就任宣誓式を行い、第10代フィリピン大統領に就任した。宣誓式の会場となったマニラ市のエドサ通りは、86年にマルコス政権を打倒した「2月革命」の記念の地。エストラーダ前大統領の辞任を迫るために集まった数十万人の市民がアロヨ新大統領の就任を祝賀した。
突然の大統領交代劇は、前大統領の違法とばく上納金受領疑惑にからむ大統領弾劾裁判が発端。裁判の過程で、前大統領の汚職、公金横領、資産隠しなどの嫌疑が濃厚になったが、1月16日に行われた上院の弾劾裁判評決で、前大統領派の多数派工作が功を奏して、無罪評決が確実な情勢になった。しかし、その評決に納得しない市民がエドサ通りに結集して、エストラーダ大統領の即時退陣を訴えはじめ、1月19日には、国防相をはじめ軍のトップや主要閣僚も反大統領派に加わり、エストラーダ大統領を辞任に追いつめたもの。
47年マニラ市生まれ。父は第5代大統領ディオスダド・マカパガル。アテネオ大、ジョージタウン大(アメリカ)、フィリピン大で経済学を学ぶ。経済学博士。アキノ政権で貿易産業省次官。92年、上院議員に当選して政界入り。98年の副大統領選で、エストラーダ前大統領のライバル政党「ラカスNUCD]から立候補して当選(フィリピンの大統領選では、大統領と副大統領は別個の投票で選出される)。家族は弁護士の夫と2男1女。