アサヒナ・タカシ。大阪フィルハーモニー交響楽団音楽総監督・常任指揮者。
12月29日、世界最高齢の現役指揮者で、文化勲章受章者の朝比奈隆さんが、老衰のため、神戸市内の病院で死去。93歳。
1908年、東京生まれ。京都大学法学部在学中に、京大交響楽団でバイオリンを担当しながら、ロシア人音楽家のメッテルから指揮法を学ぶ。大学卒業後、阪急電鉄で2年間サラリーマン生活を経て、京都大学文学部哲学科に学士入学し、クロイツァー、ローゼンストックに師事。
36年、大阪音楽学校（現・大阪音大）の管弦楽団から指揮者生活に入り、戦前は、新交響楽団（現・NHK交響楽団）、上海交響楽団、ハルビン交響楽団などで活躍。
引き揚げ後、47年、関西交響楽団（大阪フィルの前身）を結成して常任指揮者となり、以後、半世紀あまり大阪フィルを率いる。ドイツ・ロマン派を中心に、ベートーベン、ブルックナーなどの作品では、世界最高峰の指揮者のひとりとされ、ベートーベンの「第九」は世界最多の251回を指揮。75年、日本芸術院賞受賞、94年、文化勲章受賞。