イマイ・トシミツ。洋画家。
3月3日、パリを中心にアンフォルメル(非定形抽象芸術)運動の代表的な作家として国際的に活躍した今井俊満さんが、膀胱(ぼうこう)がんのため、東京都中央区の病院で死去。73歳。
1928年、京都市出身。武蔵高校卒。52年に渡仏し、アンフォルメル運動に参加。カンバスに感情そのままをぶつけるように、絵の具を飛び散らせながら描くエネルギッシュな作風で、一躍有名に。57年に一時帰国し、日本でもアンフォルメル旋風を起こした。
80年代以後、抽象画から琳派風の伝統的なモチーフによる「花鳥風月」画に転換。その後も、戦争の悲惨さを描いた「ヒロシマ」シリーズや、「コギャル」シリーズなど、テーマや作風は晩年まで変化を続けた。92年に急性白血病を発症、2000年には末期がんで余命数カ月と宣告されたが、創作意欲は衰えず、00年、01年と銀座で個展を開き、話題を呼んだ。95年、フランス・レジオン・ドヌール勲章、97年、フランス芸術文化勲章、受章。