アウンサンスーチー。Aung San Suu Kyi。ミャンマーの民主化運動指導者。
5月6日、ミャンマーの軍事政権は、民主化運動のリーダーで野党「国民民主連盟(NLD)」書記長のアウンサンスーチーさんに対する自宅軟禁措置を解除した。軍事政権の今回の決断は、自国通貨チャットの下落による経済危機の打開には経済支援が不可欠なため、スーチーさんの軟禁解除で国際社会との協調路線を選択せざるをえなかったもの。軟禁解除後、スーチーさんは、民主化実現のため、全面的に政治活動を復活することを示唆(しさ)。
1945年、ラングーン(現ヤンゴン)生まれ。父親はビルマ建国の父アウンサン将軍。デリー大学、オックスフォード大学卒業後、イギリス人のチベット研究者と結婚。88年、ミャンマーに帰国。NLD書記長として民主化運動を指導するが、軍事政権により89年7月から95年6月まで自宅軟禁に。90年の総選挙でNLDが圧勝したが、軍事政権は選挙結果を受け入れなかったため、国際的な制裁を受ける。スーチーさんは「民主主義と人権のための非暴力闘争の勇気」を称えられ、91年度ノーベル平和賞を受賞。99年に夫をがんで亡くしたが、軍政府の圧力で葬儀に出席することもかなわず、2000年9月に再度、軟禁となっていた。サハロフ人権賞、シモン・ボリバル賞、ネール賞などを受賞。