オオノ・カズオ。舞踏家。
2月2日、舞踏家、大野一雄さんが、約5年ぶりに古里の北海道函館市で公演。
1906年、北海道生まれ。生家は北洋漁業の網元で、中学時代は陸上選手。日本体育会体操学校(現・日体大)を卒業後、体育教師となる。転任した捜真女学校でダンスを教えるためにモダンダンスを学び、石井漠、江口隆哉、宮操子に師事。38年に召集を受け、中国、ニューギニアを転戦。1年間の捕虜生活のあと復員し、49年に43歳で初リサイタル。54年前後に土方巽(ひじかた・たつみ)と出会い、人間の内面的な問題を扱う身体表現「舞踏(BUTOH)」を創造した。77年、体操学校卒業直前に帝劇で見た、スペインの舞踏家ラ・アルヘンチーナを題材にした一人舞踏「ラ・アルヘンチーナ頌」を発表、絶賛を浴びた。80年、捜真女学校を退職し、初の海外公演となるフランス・ナンシー国際演劇祭で「ラ・アルヘンチーナ頌」を踊り、世界に衝撃を与えた。肉体の衰えを芸と表現力でカバーし、車椅子に乗った今も現役で活躍。2月2日の公演では「わたしのお母さん」などを上演。約300人の観客を魅了した。