アヤド・アラウィ。Iyad Allawi。イラク暫定政府首相。
5月28日、イラク統治評議会は、6月末の主権移譲後の暫定政権の首相に、旧反体制組織イラク国民合意(INA)代表のアヤド・アラウィを指名。
1945年、イラク南部のヒッラ生まれ。イスラム教シーア派の名家の出身で、祖父はイギリスから独立する際の交渉団の一員。父親は下院議員だった。バグダッドで医学を学び外科医となったが、若いころから民族主義運動に参加。70年代初めまでイラクの旧支配政党バース党員だったが、同党と対立して亡命、ロンドンを拠点とする反フセイン体制運動に加わった。91年旧フセイン政権の亡命軍人らを中心にINAを設立。CIAやイギリス情報機関の支援を受けるなど、アメリカと強いつながりを持つ一方、バース党員の公職追放には一貫して反対し、旧イラク軍高官とも太いパイプを維持しているとされる。また、6月1日、大統領にイラク統治評議会の輪番議長でスンニ派主要部族のシャマール族出身のガジ・ヤワルの就任が決まった。1958年、イラク北部のモスル生まれ。これらの人事で暫定政権は実務家中心に構成するというブラヒミ国連事務総長特別顧問の当初の構想とは異なり、評議会側の意向を強く反映したものとなった。