ジャック・キルビー。Jack Kilby。半導体技術者。
6月20日、集積回路(IC)の発明でノーベル物理学賞を受賞し、「半導体の父」と呼ばれたジャック・キルビーさんががんのため死去。81歳。
1923年、アメリカ・ミズーリ州生まれ。47年、イリノイ大学の電気工学科を卒業後、ウィスコンシン州のセントラル・ラボ社に勤務。この会社でトランジスタの開発に携わり、IC発明への基礎を養った。同社に勤務しながら、50年にウィスコンシン大学で電気工学修士課程を修了。その後、58年にテキサス・インスツルメンツ(TI)に入社。同年夏に研究室に閉じこもりICを発明。64年にはすべてのICが対象となる基本特許、いわゆる「キルビー特許」が登録された。その功績が称えられ、93年に京都賞、2000年にはノーベル物理学賞を受賞。TIは日本において「キルビー特許」の出願を分割し、特許の一部の成立を遅らせて、親特許の期限が切れた80年以降にも半導体メーカーに特許使用料を請求していたが、1991年富士通がその支払いを不服として提訴。2000年最高裁で、特許の使用料請求を無効とする判決が出された。