アヅマ・ヒデオ。漫画家。
12月16日、漫画家の吾妻ひでおが、自身の体験をもとにした「失踪日記」(イースト・プレス)で文化庁メディア芸術祭の漫画部門大賞を受賞した。
1950年、北海道生まれ。石ノ森章太郎の「マンガ家入門」に触発され、高校生の頃から漫画を描く。高校卒業と同時に上京。いったん就職したがすぐに退社し、漫画家の板井れんたろうの下でアシスタントを始めた。69年、月刊の漫画雑誌「まんが王」に「リングサイド・クレージー」が掲載され漫画家デビュー。以後も「ふたりと5人」「やけくそ天使」などのギャグ漫画や「パラレル狂室」「メチル・メタフィジーク」などの不条理漫画を次々に発表し、79年の「不条理日記」は日本SF大会星雲賞をコミック部門で受賞した。シュールなストーリーと愛らしい画風は読者にアンバランスの魅力を与え、その作風は不条理漫画の草分けといわれる。エロティックな美少女漫画にも定評があり、「ななこSOS」「オリンポスのポロン」はアニメ化もされた。89年から数年間失踪。今回大賞を受賞した作品は、その時の経験がもとになっている。