イビチャ・オシム。Ivica Osim。サッカー監督。
7月21日、日本サッカー協会は、J1ジェフユナイテッド千葉の前監督、イビチャ・オシムの日本代表監督就任を発表した。
1941年、ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボ生まれ。59年に地元クラブのFCゼレツニカール・サラエボでデビューし、70年からフランスでプレー。旧ユーゴスラビア連邦の代表としても16試合に出場し、8得点を記録している。78年に引退した後、ゼレツニカールに戻り、指導者となった。86年に旧ユーゴの代表監督に就任。90年のW杯イタリア大会では、ユーゴ国内の独立運動に揺れるチームをベスト8に導いた。92年のヨーロッパ選手権では予選を突破したものの、オシムはユーゴ内戦に抗議して大会直前に辞任、チームも内戦によって出場停止処分を受け、本大会には出場できなかった。内戦ではオシム自身も2年半の一家離散という苦しみを味わっている。その後は、パルチザン・ベオグラード(セルビア)、パナシナイコス(ギリシア)、シュトルム・グラーツ(オーストリア)で監督を務め、すべてのチームでタイトルを獲得。特にシュトルム・グラーツではリーグ下位に沈んでいたチームを計8度の優勝に導き、監督としての評価を一層高めた。2003年にジェフ市原(現・千葉)の監督に就任。05年にはチーム初のタイトルとなるナビスコ杯優勝を成し遂げた。試合後の会見などで発する、独特の比喩(ひゆ)や含蓄に富んだコメントが、「オシム語録」として話題を呼んでいる。