シマオカ・タツゾウ。陶芸家。
2007年12月11日、益子焼の陶芸家で、人間国宝の島岡達三さんが、急性肝不全のため死去。88歳。
1919年、東京生まれ。高校時代に日本民芸館を見学し、柳宗悦の民芸運動に触れたことで、陶芸の道を志すように。東京工業大学窯業学科在学中に、「益子陶芸の父」といわれる浜田庄司に弟子入りを許されたが、太平洋戦争で召集されたため、実際に弟子入りしたのは戦後。定収を得るため栃木県窯業指導所に勤務していた50年代初め、学校の教材に使う縄文土器の複製を作ったことをきっかけに、56年、陶器の表面に寄ったひもを押し当て、くぼみに白い化粧土を埋め込む「縄文象眼」を確立し、62年に日本民芸館賞を受賞。その作品は海外でも注目を集め、96年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。