エトウ・トシヤ。バイオリニスト。
2008年1月22日、戦後日本を代表するバイオリニストで、演奏家として活動しながら後進の育成に尽力した、桐朋学園大学元学長の江藤俊哉さんが死去。80歳。
1927年、東京生まれ。独自の音楽教育システム「鈴木メソッド」で知られる鈴木鎮一に、4歳からバイオリンを習う。12歳の時には音楽コンクール(現・日本音楽コンクール)バイオリン部門第1位となった。東京音楽学校(現・東京芸術大学)を48年に卒業後、アメリカのカーティス音楽学校に留学し、エフレム・ジンバリストに師事。在学中の51年、日本人として初めて、カーネギーホールでリサイタルを開催した。卒業後は同校教授にも就任し、61年に帰国するまで、世界各地で演奏活動を行った。帰国後は演奏活動の傍ら、安永徹、諏訪内晶子、堀込ゆず子、千住真理子ら多くの後進を育てた。87年日本芸術院会員。ヴィエニャフスキ国際バイオリン・コンクールなど、国内外のコンクール審査員も務め、96年からは若手バイオリニストのための「江藤俊哉ヴァイオリンコンクール」も創設された。ネスカフェ「ゴールドブレンド」のテレビCMに11代目の「違いがわかる男」として登場したり、NHK教育テレビの「バイオリンのおけいこ」にも出演した。