エンドウ・アキラ。応用微生物学者。
2008年9月13日、アメリカのラスカー財団が、遠藤章東京農工大学名誉教授を「ラスカー賞」の臨床医学部門の受賞者に選出したことを発表。血中コレステロール値を下げる物質、スタチンの発見による。
1933年、秋田県生まれ。東北大学農学部卒業後、製薬会社の「三共」(現・第一三共)に入社。研究員として約6000種ものカビやキノコを調べ、73年にコメの青カビから、スタチンを発見した。78年に退社し、翌79年、東京農工大学農学部助教授となり、86年から97年まで、同教授を務めた。97年、バイオファーム研究所を設立し、所長に就任。スタチンはその後、医薬品として製品化され、現在では心筋梗塞や脳卒中の治療・予防薬として、世界中で約3000万人が使用しているとされる。ラスカー賞受賞者からは多くのノーベル賞受賞者が出ており、ノーベル賞の登竜門ともいわれる。日本人ではマサチューセッツ工科大学の利根川進教授など4人が受賞しているが、基礎医学ではなく臨床医学での受賞は初めて。東京農工大学は、今回の受賞で、遠藤名誉教授に特別栄誉教授の称号を授与した。