ニシジマ・カズヒコ。物理学者。
2009年2月15日、素粒子の新しい量子数である「ストレンジネス」を発見し、現代の素粒子論の基本的法則となる「中野・西島・ゲルマンの法則」を提唱した西島和彦さんが、急性リンパ性白血病のため死去。82歳。
1926年、東京生まれ。48年に東京大学理学部物理学科を卒業後、大阪市立大学に移籍、後にノーベル物理学賞を受賞する南部陽一郎シカゴ大学名誉教授らとともに、理論物理学の研究グループを作った。その後、大阪市立大助教授、イリノイ大学教授、東大教授、京都大学基礎物理学研究所所長などを歴任。大阪市立大に在籍中の1953年、同僚の中野董夫の協力のもと、後に「ストレンジネス」と呼ばれることになる、素粒子の強い相互作用に関与する新しい量子数を導入した分類規則を提唱。アメリカの理論物理学者ゲルマンも独自に同じ規則を発見し、「中野・西島・ゲルマンの理論」として現代の素粒子論の基本的法則となった。この業績により、55年に仁科記念賞、64年に日本学士院賞を受賞。2003年には文化勲章を受けた。