アズマ・ヒロキ。哲学者、批評家。
2010年5月18日、その年の文学の新鋭に贈られる第23回三島由紀夫賞に、東浩紀の小説「クォンタム・ファミリーズ」(新潮社刊)が選ばれた。
1971年5月9日、東京都生まれ。東京大学在学中に書いた「ソルジェニーツィン試論」で批評家デビュー。同大学院在学中に発表した、フランスの哲学者ジャック・デリダを論じる「存在論的、郵便的」(98年)は、哲学書としては異例の売り上げを記録し、第21回サントリー学芸賞(思想・歴史部門)を受賞。三島賞候補にもなった。また、オタク文化を論じた「動物化するポストモダン」(2001年)は、韓国、フランス、アメリカで翻訳されるなど、大きな注目を集めた。受賞作となった「クォンタム・ファミリーズ」は、07年にライトノベル作家の桜坂洋と共作した「キャラクターズ」に次ぐ2作目の小説で、単著としては初の作品。