イチカワ・シンイチ。脚本家、作家。
2011年12月10日、NHK大河ドラマ「黄金の日日」や映画「異人たちとの夏」など、数々の人気テレビドラマや映画の脚本を手掛けた脚本家の市川森一さんが、肺がんのため死去。70歳。
1941年4月17日、長崎県生まれ。高校在学中から脚本家を目指し、日本大学芸術学部在学中に特撮テレビ番組「快獣ブースカ」でデビュー。以後、「コメットさん」「ウルトラセブン」といった特撮番組や、「太陽にほえろ!」「傷だらけの天使」などの人気作の脚本を担当。80年のドラマ「港町純情シネマ」で芸術選奨文部大臣新人賞、82年にはドラマ「淋しいのはお前だけじゃない」で第1回向田邦子賞を受賞。NHK大河ドラマは「黄金の日日」(78年)、「山河燃ゆ」(84年)、「花の乱」(94年)と3作品の脚本を担当。89年に映画「異人たちとの夏」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞、2001年に「長崎ぶらぶら節」で同優秀脚本賞を受賞。日本放送作家協会理事長を務めるなど、脚本家の地位向上や、文字通り使い捨てにされるシナリオの保存、管理にも力を注いだ。他に小説「紙ヒコーキが飛ばせない」「夢暦長崎奉行」、舞台「楽劇・ANZUCHI」など。11年11月に放送された、自身の小説が原作で脚本も手掛けたドラマ「蝶々さん」が遺作となった。