カルロス・フエンテス。Carlos Fuentes。作家。
2012年5月15日、ガルシア・マルケス(コロンビア)やマリオ・バルガス・リョサ(ペルー)と並びラテンアメリカ文学界を代表するメキシコ人作家、カルロス・フエンテスさんが死去。83歳。胃の腫瘍からの出血が死因とみられる。
1928年11月11日、パナマ共和国のパナマ市生まれ。外交官の父親の赴任地で生まれ、その後も南北アメリカ大陸の多くの国に住み、16歳でメキシコに帰国。国立自治大学法学部を卒業後、外務省で働いていた50年代に作家デビュー。58年の長編「澄みわたる大地」で注目を集め、「アルテミオ・クルスの死」(62年)で世界的な名声を獲得。駐フランス大使などを務める一方、左派の論客としても知られ、アメリカへの入国を拒否されたこともある。他の代表作に「老いぼれグリンゴ」「アウラ」「埋められた鏡」など。87年にはスペイン語圏で最高の文学賞であるセルバンテス賞を受賞。ノーベル文学賞候補としてもたびたび名前が挙げられていた。