カネコ・オウテイ。書家。本名、金子賢蔵。
11月5日、書家で文化勲章受章者の金子鴎亭さんが、肺炎のため、東京都新宿区の病院で死去。95歳。
1906年、北海道松前町生まれ。函館師範学校卒業後、札幌で小学校の教員となるが、32年、上京して、書家・比田井天来(ひだい・てんらい)に師事。34年、『書之理論及指導法』を刊行して、漢字と日本独自の仮名文字が交じっている現代文体を書の題材とする「近代詩文書」運動を提唱。戦後、壊滅状態となった書道界を再建するため、48年、かな書家の飯島春敬とともに「全日本書道展(のち毎日書道展)」を創設。また、64年、創玄書道会、73年、近代詩文書作家協会を創立して、多くの門人を育てた。67年、日本芸術院賞を受賞。90年、文化勲章を受章。