カマタ・サダオ。長崎平和研究所長、元長崎総合科学大学教授。
2月26日、被爆地長崎の反核平和運動の理論的支柱として活躍した鎌田定夫さんが、すい臓がんのため、長崎市内の病院で死去。72歳。
1929年、宮崎県都城市出身。自身は被爆していないが、51年、九州大学文学部時代に、被爆者の同級生の案内で長崎入りし、被爆問題にショックを受ける。67年に旧厚生省が出した「被爆者と非被爆者の間に健康上と生活上の有意な格差はない」とする「原爆白書」に反発。市民の手で被爆者の実態を記録するため、「長崎の証言の会」を設立し、1000人を超す被爆者の聞き取り調査を行い、被爆体験記録を刊行。大学退職後も、97年には私財を投じて、NGO「長崎平和研究所」を設立。平和講座やシンポジウムの開催、核廃絶のための論文誌の発行などに取り組み、被爆地長崎から反核を発信し続けた。