アンドウ・ツグオ。詩人、俳人、文芸評論家。
4月9日、詩人、俳人で、松尾芭蕉などの評釈でも知られる安東次男さんが、呼吸不全のため死去。82歳。
1919年、岡山県生まれ。東京大学経済学部在学中に加藤楸邨(しゅうそん)に師事して俳句を学ぶ。戦後、詩誌「コスモス」に参加し、50年、第一詩集『六月のみどりの夜わ』を刊行。以後、詩集に、『蘭』『死者の書』『人それを呼んで反歌という』など。60年代以降、詩作から古典詩歌の評釈と俳諧の研究に打ち込み、『澱河歌(でんがか)の周辺』で、読売文学賞を受賞。また、『芭蕉七部集評釈』などで、詩人の立場から俳諧を斬新な視点で読み解き、注目された。『安東次男著作集』で歴程賞を受賞。その他著書に『藤原定家』『風狂始末-芭蕉連句新釈』『風狂余韻』。句集に『花筧』『流』など。