イトウ・ハク。本名、ひろし。日本文学者。
10月6日、万葉研究の第一人者で前万葉学会代表の伊藤博さんが、胃がんのため死去。78歳。
1925年、長野県生まれ。京都大学文学部で全20巻に及ぶ大著「万葉集注釈」を著した万葉学者・澤瀉(おもだか)久孝に師事。 筑波大学文芸・言語学系教授、共立女子大学国際文化学部教授、万葉学会代表などを歴任した。96年、15年がかりで全11巻に及ぶ「万葉集釈注」(集英社)を出版。個人の全注訳は師の「万葉集注釈」以来38年ぶりとなった。99年には総解説の別巻を出版、2000年斎藤茂吉短歌文学賞を受賞した。他の著書に「万葉集相聞の世界」「古代和歌史研究」「万葉集研究」(共編)などがある。