イイジマ・ソウイチ。病理学者。
3月1日、医学者の立場から、核兵器廃絶を訴えた飯島宗一さんが、呼吸不全のため死去。81歳。
1922年、長野県生まれ。46年名古屋大学医学部卒業。広島大学医学部で原爆傷害の病理学的な研究をした。69年、46歳で広島大学長に就任。78年、母校名大に移り、医学部長を経て81年から学長を務める。87年には「戦争を目的とする学問研究と教育には従わない」とする名大平和憲章を制定するなど、平和問題に情熱を注いだ。また中教審委員、大学設置審委員を歴任。84年には臨教審委員となり、第4部会長を務めるなど教育改革の推進役を担った。その他第24回日本医学会総会会頭、第13期日本学術会議会員、トヨタ財団理事長、愛知芸術文化センターの総長も歴任。著書に「最新病理学」「現代病理学における構造」「広島・長崎でなにが起ったか」など。アララギ派歌人の土屋文明に師事した歌人としても知られ、歌集「水薦苅(みこもかる)」がある。89年には歌会始の召人を務めた。