イノウエ・ダイスケ。本名、祐輔(ゆうすけ)。カラオケの発明者。
9月30日、「つい笑ってしまうけれど、考えさせられてしまう」研究を対象に贈られる「イグ・ノーベル賞(愚かなノーベル賞)」の平和賞に、カラオケの発明者として知られる井上大佑が選ばれ、アメリカのハーバード大学で授賞式が行われた。
1940年、大阪府生まれ。浪速工業高校卒業。神戸のバーなどで弾き語りを始め、71年、空演奏のテープに再生装置とコインボックス、それにマイクがついている「8ジューク」という第1号のカラオケマシンを開発。名曲「君の瞳に恋してる」を歌詞抜きの曲に編集し直したことをきっかけに発明した。特許を取らなかったため、その後の爆発的なカラオケブームにもかかわらず、利益を手に入れることはできなかったが、99年アメリカ「タイム」誌の特集「20世紀で最も影響力のあったアジアの20人」に「世界の夜を変えた」として、昭和天皇、ガンジーや毛沢東らとともに選ばれている。「イグ・ノーベル賞」はハーバード大学系のパロディ科学雑誌“The Annal of Improbable Research(まずありそうもない研究年間報告)”の編集者、マーク・アブラハムが1991年に創設。本物のノーベル賞受賞者を含むハーバード大学やマサチューセッツ工科大学の教授らが書類選考し「人をまず笑わせ、そして考えさせる研究、絶対に真似できない・真似すべきでない業績を対象に」に授与される。今回の受賞は「お互いの歌をじっと聞くというような、忍耐強さを鍛える全く新しい方法を編み出した」として、その功績を評価された結果という。