イマイ・イサオ。流体物理学・数理物理学者。
10月24日、航空機が飛ぶときにみられる、高速圧縮流体の力学的理論を体系化した今井功さんが、心不全で死去。90歳。
1914年、旧満州(現在の中国東北部)大連生まれ。36年東京帝国大学物理学科卒業。42年同大学助教授を経て、50年に教授。55年から2年間アメリカ・メリーランド大学で講義を行った。75年に退官、以後、大阪大学教授、工学院大学教授を歴任。高速での気体の力学的理論を発展させ、航空力学理論を体系化したことで知られ、88年には文化勲章を受賞。晩年には電磁気学に関する新解釈を示し議論を呼んだ。73年に出版された著書「流体力学(前編)」は名著とされ、流体力学を学ぶものにとって必読の書といわれているが、ついに後編がでることはなかった。