イシガキ・リン。詩人。
12月26日、分かりやすくやさしい言葉で、社会や働く女性の生き方を表現した詩人の石垣りんさんが死去。84歳。
1920年、東京生まれ。小学校時代から詩を作り、少女雑誌に投稿を始める。高等小学校を卒業後、日本興業銀行に入行。以後定年退職する75年まで勤め、銀行員詩人と呼ばれた。43年には投稿仲間と女性詩誌「断層」を創刊したが、戦時の紙不足で終刊。戦後は職場の労働組合の機関紙や壁新聞に作品を発表。59年の第1詩集「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」は、椎間板ヘルニアの快気祝いとして刊行された。69年の「表札など」(第2詩集)でH氏賞を受賞。71年、アンソロジー「石垣りん詩集」で田村俊子賞、79年に「略歴」で地球賞を受賞。他に小説・随筆集「ユーモアの鎖国」「夜の太鼓」「詩の中の風景」などがある。日常的な言葉で働く女性の生活感覚を力強く表現した作品は、多くの教科書に収録されるなど、幅広い支持を得た。2000年から02年にかけては、絶版だった詩集4冊が相次いで復刊。詩集としては異例の売れ行きをみせ、話題となった。