イブラヒム・ジャファリ。Ibrahim Jaafari。本名、イブラヒム・アシェイケル。Ibrahim al-Eshaiker。イラク首相。
4月7日、イラク移行政府のジャラル・タラバニ大統領が、シーア派統一会派「統一イラク同盟」の中核政党、アッダワ党代表のイブラヒム・ジャファリ暫定政府副大統領を新首相に指名。
1947年、イラク・カルバラ生まれ。モスル大学医学部に学び、医師として働くかたわら、60年代後半にシーア派のイスラム主義組織「アッダワ党」に参加。80年から始まった旧フセイン政権による同党の弾圧を逃れ、イランへ亡命。89年以降はイギリスから反フセイン政権運動を指揮。このとき名乗っていた「ジャファリ」という名前のほうが知られている。旧フセイン政権崩壊後、帰国した。イラク統治評議会では初代議長、暫定政府では副大統領を務めた。優れたバランス感覚の持ち主で、武装勢力への軍事力行使を肯定する一方で米軍のファルージャ、ナジャフ攻撃を非難。イラクの世論調査では指導者としてシスタニ師に次ぐ支持を得ているが、この人気はイメージ先行だとの見方もある。今後、イラク国民議会で選出されたクルド愛国同盟議長のタラバニ新大統領ともども、その政治手腕が試されることになる。