キタカタ・ケンゾウ。作家。
12月6日、第9回司馬遼太郎賞が発表され、北方謙三の「水滸伝」(全19巻、集英社)が選出された。
1947年、佐賀県生まれ。中央大学法学部卒業。在学中の70年に執筆した純文学作品「明るい街へ」が「新潮」に掲載され、81年にはエンターテインメント作品の「弔鐘はるかなり」で本格的に作家デビュー。同作品で描かれた男の生き様が高い評価を受け、ハードボイルド作家として注目を浴びる。83年「眠りなき夜」で吉川英治文学新人賞、85年「渇きの街」で日本推理作家協会賞を受賞。86年から雑誌「ホットドッグプレス」で人生相談コーナー「試みの地平線」を担当し、刺激的な本音で語りかけて人気を博した。89年に初の歴史小説「武王の門」を発表。91年「破軍の星」で柴田錬三郎賞を受賞し、99年には全13巻からなる「三国志」を完結させた。「水滸伝」は「小説すばる」誌上に99年より連載され、2005年7月号で完結。司馬遼太郎賞はこれまで人と業績に与えられてきたが、今回から作品に変更された。