コンドウ・ヨシミ。本名、近藤芽美(よしみ)。歌人。
6月21日、戦後派を代表する歌人で「早春歌」などで知られる近藤芳美さんが心不全のため死去。93歳。
1913年、朝鮮半島生まれ。12歳からは広島市の祖母のもとで育った。旧制広島高校在学中に歌人・中村憲吉と出会い、短歌結社「アララギ」に入会。その後、上京して土屋文明に師事した。38年、東京工業大学を卒業、清水建設に入社したが、勤めながらも作歌活動は続け、47年、「新歌人集団」を結成。翌年、軍隊体験なども詠んだ第1歌集「早春歌」を刊行、同年に出た「埃(ほこり)吹く街」とあわせて注目を集めた。51年、歌誌「未来」を創刊、2001年まで主宰し、多くの歌人を育てた。また、1955年から2005年1月まで、朝日歌壇の選者として、庶民の歌を積極的に評価した。1977年から91年まで現代歌人協会理事長を務め、短歌の発展に尽力した。歌集「希求」で斎藤茂吉短歌文学賞、「営為」で現代短歌大賞などを受賞。96年、文化功労者。