カート・ボネガット。Kurt Vonnegut, Jr.。作家、劇作家。
2007年4月11日、ニューヨーク市内の自宅で転倒し、頭部を負傷していた作家、劇作家のカート・ボネガットさんが死去。84歳。
1922年、アメリカ、インディアナ州生まれ。ドイツ系移民4世で祖父、父親ともに建築家。高校在学中に文芸活動を始め、コーネル大学では生化学を専攻する一方、学内誌の編集にも携わった。第二次世界大戦で学位を得る前に陸軍に志願。軍では機械工学を学んでいたが、44年、ドイツ戦線に配属が決定。母親は生活の困窮とこのことを苦に自殺した。バルジの戦いで捕虜となり、その拘束中に英米連合軍によるドレスデン爆撃を経験。復員後はシカゴ大学大学院で人類学を学び、50年短編「バーンハウス効果に関する報告書」で作家デビュー。52年には初の長編「プレイヤー・ピアノ」を刊行。以後、「タイタンの妖女」「母なる夜」「猫のゆりかご」などの作品で若者の支持を集め、ドレスデン爆撃の体験をもとにした「スローターハウス5」でアメリカを代表する作家の地位を確立。97年の「タイムクエイク」以後は、イラストや講演を中心に活動。その他の作品に「チャンピオンたちの朝食」「ジェイルバード」「ガラパゴスの箱舟」など。ボネガットさんの死で公式サイトは、氏のイラスト作品“Freedom”がトップページに飾られたまま閉鎖状態となっている。