オスカー・ピストリウス。Oscar Pistorius。陸上選手。
2007年7月13日、ローマで開かれた陸上の国際競技会ゴールデンガラの男子400mB決勝に、両足が義足のランナー、オスカー・ピストリウスが健常者に交じって出場し、2位になった。
1986年、南アフリカのプレトリア出身。両脚の腓骨(ひこつ)がない状態で生まれ、生後11カ月で膝より下を切断する。少年時代はテニスやラグビー、水球などの選手だったが、2004年に右膝を故障し、陸上に転向。同年、アテネ・パラリンピックに出場し、200mで21.97秒の世界記録を出して金メダルを獲得した。その後もパラリンピック・ワールドカップなどに出場して、両脚に障害のあるクラスの100m、200m、400mの世界記録を次々に更新。カーボン繊維製で板状の競技用義足を用い、「ブレードランナー」の愛称で人気を集めている。ピストリウスは、07年7月15日に行われた陸上のトップ級選手が集まるイギリスグランプリ(GP)にも、アテネ・オリンピックの金メダリストらに交じって出場。走路をはみ出した違反により失格となったが、北京オリンピックへの挑戦を表明しており、国際陸連(IAAF)が義足を使用しての出場を認めるかどうかに注目が集まっている。