イチカワ・コン。映画監督。
2008年2月13日、「ビルマの竪琴」や「おとうと」、「東京オリンピック」など数多くの名作を撮った映画監督の市川崑さんが、肺炎のため死去。92歳。
1915年、三重県生まれ。JOスタジオ発声漫画部でアニメの企画、脚本、作画、撮影などを一人で担当し、48年「花ひらく」で監督デビュー。53年の喜劇「プーサン」で注目を集めた。のち、「ビルマの竪琴」(56年)、「鍵」(59年)、「おとうと」(60年)など文学作品の映画化に積極的に取り組み、芸術か記録かで論議を呼んだ「東京オリンピック」(65年)では日本映画史上最高の観客動員を記録。大ヒットとなった横溝正史原作の「犬神家の一族」(76年)では、金田一耕助ブームを起こし、90歳を迎えた2006年のリメーク版でも健在振りを示していた。他の作品に「炎上」(1958年)、「野火」(59年)、「黒い十人の女」(61年)、「股旅」(73年)、「細雪」(83年)、「おはん」(84年)、「四十七人の刺客」(94年)、「八つ墓村」(96年)、「どら平太」(2000年)など。また、「木枯し紋次郎」(1972年)などのテレビ作品も多数手がけた。83年に亡くなった脚本家の和田夏十(本名・市川由美子)さんとおしどり夫婦として知られ、その様子は岩井俊二監督のドキュメンタリー作品「市川崑物語」(2006年)にも描かれている。