シャ・シン。映画監督。
2008年10月18日、地方の町を舞台に文化大革命がもたらした悲劇を描いた「芙蓉鎮」や、「阿片戦争」などで知られる中国映画界の巨匠、謝晋さんが死去。84歳。
1923年、中国の浙江省生まれ。南京国立戯劇専科学校卒業。新劇活動を経て、48年上海映画製作所に入所し、54年「控訴」で監督デビュー。60年には「紅色娘子軍」で中国のアカデミー賞といわれる百花奨の最優秀作品賞と監督賞を受賞した。文革時代は苦しい時期を過ごしたが、80年の「天雲山物語」では百花奨をはじめ中国の主要な映画賞を独占。「芙蓉鎮」(87年)、中国残留日本人孤児をテーマにした「乳泉村の子」(91年)、「阿片戦争」(97年)など、社会性の強い題材をヒューマンなタッチで描く作風で知られる。92年には中国初の私営映画会社「謝晋・恒通映画テレビ会社」を設立。94年には俳優養成所「上海市謝晋-恒通明星学校」を設立するなど、後進の育成にも力を尽くした。