シミズ・イッコウ。本名、和幸(かずゆき)。作家。
2010年3月15日、「虚業集団」や「重役室」などエンターテインメント性の高い企業小説やミステリーで人気を集めた作家の清水一行さんが、老衰のため死去。79歳。
1931年1月12日 、東京生まれ。早稲田大学中退後「東洋経済新報」や「週刊現代」の記者を経て、66年証券界の内幕を描いた「小説 兜町(しま)」で作家デビュー。75年、新幹線の騒音公害を背景に国鉄を脅迫する犯人と捜査当局の攻防を描き、映画化もされた社会派サスペンス「動脈列島」で日本推理作家協会賞を受賞。企業の内幕を取り上げた経済小説の草分けの一人として「虚業集団」「重役室」「買占め」「動機」「密閉集団」など多くのベストセラーを生んだ。また、兵庫県の知的障害者施設での園児の死亡事故「甲山事件」をモデルにした小説「捜査一課長」をめぐっては、99年に最高裁でモデルとなった女性への名誉棄損が認定され、モデル小説のあり方を再考させることにもなった。