コバヤシ・ケイジュ。俳優。
2010年9月16日、東宝の「社長」シリーズ、「名もなく貧しく美しく」、「裸の大将」などの映画や、テレビドラマなどで活躍した俳優の小林桂樹さんが、心不全のため死去。86歳。
1923年11月23日、群馬県生まれ。日本大学専門部芸術科(現・日本大学芸術学部)中退後、42年「微笑の国」で俳優デビューしたが、43年応召。46年、「君かと思ひて」で映画界に復帰。50年代から60年代前半にかけては東宝の「三等重役」や森繁久彌主演の「社長」シリーズなど、サラリーマンものに多く出演し、人気を得た。出演100本を記念する映画「裸の大将」(58年)では山下清を演じ、毎日映画コンクール男優主演賞を受賞。以後、「黒い画集」(60年)、「江分利満氏の優雅な生活」(63年)、「あの、夏の日」(99年)でも毎日映画コンクール主演賞を受賞。70年代以降はテレビに活動の中心を移し、NHKのドラマ「赤ひげ」「勝海舟」などのほか、土曜ワイド劇場(テレビ朝日系)の「牟田刑事官事件ファイル」シリーズ、火曜サスペンス劇場(日本テレビ系)の「弁護士・朝日岳之助」シリーズといった、2時間ドラマの主役でもお茶の間に親しまれた。代表的出演作に、映画「その人の名は言えない」(51年)、「ここに泉あり」(55年)、「名もなく貧しく美しく」(61年)、「われ一粒の麦なれど」(64年)、「日本沈没」(73年)、テレビドラマ「風と雲と虹と」(NHK)、「拝啓、父上様」(フジテレビ系)など。幼稚園の園長役で出演した2009年の映画「星の国から孫ふたり」が遺作となった。