ウエダ・サユリ。小説家。
2011年12月11日、日本SF作家クラブが主催する第32回日本SF大賞が発表され、上田早夕里の「華竜の宮」(早川書房)が選ばれた。
1964年、兵庫県生まれ。神戸海星女子学院卒業。95年、第2回パスカル短編文学新人賞で最終選考まで進んだのをきっかけに投稿活動に入り、桓崎由梨名義でSF同人誌やウェブマガジンなどに作品を発表。2002年、上田早夕里名義で書いた海洋小説「ゼリーフィッシュ・ガーデン」が、第3回小松左京賞の最終選考候補作となる。翌03年、近未来の火星都市を舞台とする長編SF小説「火星ダーク・バラード」で、第4回小松左京賞を受賞してプロ作家デビュー。以後SF以外にもミステリーなどを執筆。他の著作に「ゼウスの檻」「ラ・パティスリー」「ショコラティエの勲章」「菓子フェスの庭」「リリエンタールの末裔」などがある。「華竜の宮」は、陸地の大半が水没した25世紀を舞台に、残された陸地で繁栄する「陸上民」と、「魚舟」という生物船で海に生きる「海上民」との対立を軸に進むSF長編。