イシモト・ヤスヒロ。写真家。
2012年2月6日、桂離宮などの伝統建築や都市の風景をリアリティー豊かに切り取った写真で第二次世界大戦後の写真界に大きな影響を与えた、写真家で文化功労者の石元泰博さんが、脳梗塞(こうそく)のため死去。90歳。
1921年6月14日、アメリカ、カリフォルニア州生まれ。両親は日系移民で、24年に両親の郷里である高知県へ移住。高知県立農業学校(現・高知県立高知農業高等学校)卒業後の39年に渡米。第二次世界大戦中は日系人収容所に送られた。戦後バウハウスの流れをくむシカゴ・インスティチュート・オブ・デザイン(現・イリノイ工科大学)で写真を学び、モホリ・ナギ賞を2度受賞。53年に日本に帰国し、60年にはワルター・グロピウス、丹下健三との共作「桂 日本建築における伝統と創造」、69年には写真集「シカゴ、シカゴ」を刊行するなど、写真界に新風を吹き込んだ。他の作品に「伊勢神宮」「両界曼荼羅(りょうがいまんだら)」「刻(とき)」など。東京造形大学教授を務めるなど、写真教育にも力を注いだ。