キュウ・エイカン。本名、丘永漢。作家、経済評論家。
2012年5月16日、直木賞作家で経済評論家としても活躍し、「お金もうけの神様」とも呼ばれた邱永漢さんが、心不全のため死去。88歳。
1924年3月28日、台湾の台南市生まれ。中国人の父と日本人の母の間に生まれ、旧制台北高校から東京帝国大学経済学部に進学。第二次世界大戦後、台湾に戻ったが、独立運動に関与したことから香港に亡命。香港で貿易業を営みながら執筆活動を始め、54年、小説家を目指し日本に移住。56年には、亡命生活の経験などをつづった小説「香港」で、外国人として初めて直木賞を受賞した。80年に日本国籍を取得。日中の文化比較や食文化などを題材に多くの著作を発表。その一方、株や不動産への積極的な投資を指南した経済評論でも知られ、「お金もうけの神様」とも呼ばれた。小説「女の国籍」の他、「食は広州に在り」「中国人の思想構造」「金銭読本」など著書多数。