カシマダ・マキ。第147回芥川賞受賞者。
ツジムラ・ミヅキ。第147回直木賞受賞者。
2012年7月17日、第147回芥川賞・直木賞の選考会が開かれ、芥川賞に鹿島田真希の「冥土めぐり」(河出書房新社)、直木賞に辻村深月の「鍵のない夢を見る」(文藝春秋)が選ばれた。
鹿島田真希は1976年、東京都生まれ。白百合女子大学在学中の98年、「二匹」で文藝賞を受賞しデビュー。2005年に長崎への原爆投下を題材にした「六〇〇〇度の愛」で三島由紀夫賞、07年には「ピカルディーの三度」で野間文芸新人賞を受賞。「ナンバーワン・コンストラクション」(06年)、「女の庭」(08年)、「その暁のぬるさ」(10年)で過去3回芥川賞候補となっていた。受賞作となった「冥土めぐり」は、脳の病気を抱え介護を必要とする夫を持つ女性が主人公。夫婦で8年ぶりに出かけた小旅行を通して人生を見つめ直す物語。
辻村深月は1980年、山梨県生まれ。2004年メフィスト賞を受賞した「冷たい校舎の時は止まる」でデビュー。11年「ツナグ」で吉川英治文学新人賞を受賞。これまでに「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」(09年)、「オーダーメイド殺人クラブ」(11年)で2度直木賞候補となっていた。受賞作の「鍵のない夢を見る」は、泥棒、放火、誘拐などの「犯罪」をモチーフに、幸せを求める地方都市の女性が人生を狂わせていく様を描く短編集。