オノエ・キクノスケ。本名・寺嶋和康。歌舞伎俳優。
2012年2月26日、梨園の名門、「音羽屋」のプリンスとも呼ばれる尾上菊之助と、同じく名門「播磨屋」の中村吉右衛門の四女である波野瓔子(ようこ)さんが、東京・神田明神で挙式。
1977年8月1日、東京都生まれ。人間国宝の7代目尾上菊五郎の長男。母は女優の富司純子、姉は女優の寺島しのぶという芸能一家。84年、「絵本牛若丸」の牛若丸役で6代目尾上丑之助を名のり初舞台。96年「白浪五人男」の弁天小僧、「春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)」の小姓・弥生で、5代目尾上菊之助を襲名。2000年には「源氏物語」で紫の上を演じ、市川新之助(現・市川海老蔵)や尾上辰之助(現・尾上松緑)とともに、“平成の三之助”と評されるなど歌舞伎ブームを盛り上げた。04年の11代目市川海老蔵襲名披露では、「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」の揚巻(あげまき)、「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」のお富などの大役を演じ、翌05年には蜷川幸雄演出の「NINAGAWA 十二夜」公演で、数々の演劇賞を受賞した。「十二夜」と「児雷也豪傑譚話(じらいやごうけつものがたり)」で、同年度の芸術選奨文部科学大臣新人賞も受賞するなど、人気と実力を兼ね備えた歌舞伎俳優として知られる。二人の挙式は、12年末から訃報が相次ぐ歌舞伎界では久々の明るい話題となった。