コマツザキ・シゲル。挿し絵画家、絵物語作家。
12月7日、少年雑誌の絵物語や細密なプラモデルのケース・イラストなどで戦後の少年たちを熱狂させた挿し絵画家の小松崎茂さんが、心不全のため、千葉県柏市の病院で死去。86歳。
1915年、東京生まれ。高等小学校卒業後、16歳で日本画家の堀田秀叢に入門。その後、挿し絵画家に転身。戦中、少年科学雑誌にSF的な兵器イラストを描いて脚光を浴びる。戦後、「冒険活劇文庫」に『地球SOS』を、「おもしろブック」に『大平原児』を連載して、山川惣治と並ぶ人気絵物語作家となる。絵物語が漫画にとって代わられたのちも、リアルなタッチの独特のSFイラストが少年雑誌の口絵やプラモデルの箱絵を飾った。90年代になって、日本のSFイラストのパイオニアとして再評価され、96年には、岡山県作東町に「小松崎茂美術館」が、2000年には千葉県松戸市に「昭和ロマン館」がオープンした。